ニャン一族のこと 3



 この辺りを縄張りにしているニャンコ一族。
 そのほとんどが黒猫(お腹が少し白い)だったが、おととし生まれた若い個体からこっち、頭のてっぺんと尻尾だけが黒く、あとは白いニャンコが増えて来た。
 今よく見かけるのは去年生まれた3匹のうちの白い猫だが、その前の年に生まれた子・・つまり白い猫達の親もまた白い猫だ。
 どうやらお父さん猫が白猫らしい。短い尻尾の彼を毎年見かける。

 彼らは野良猫で、しかしぴょんが以前住んでいた所では野良猫を、特に親子連れの猫なんて見る機会はなかった。だからこちらで出会った時はもう珍しいやら可愛いやら。

 その年(3年前)の母猫は黒猫(お腹だけ白い)で、母親そっくりの2匹の仔猫を連れていた。
「双子か。大変だろうなぁ」
 とわが身につまされ、時々チクワやハムをあげていた。
 野良猫にエサをやってはいけないとよく聞くが、この辺りは猫による被害がないのか お互いがとても良い距離で暮らしている。猫達はあちこちでご飯を貰っているようだ。
 だがうちの周りは駐車場が多いのでその一角にエサを置くわけにもいかず、見かけたつどあげていた。
 人間も猫もお互いの領域には入らない。まるで暗黙の了解のようだ。

 いや、一度だけ母猫がその約束を破った。

 その日、あまりにも泣き声がするのでベランダから覗くとすぐそばで母猫と2匹の仔猫が鳴いていた。
 母猫はぴょんの顔を見るなりベランダに飛び上がってきたのだ。いつもはこんな事はしない。
 驚いたぴょんはとっさに、
「だめよ」
 と手を振った。と、母猫はすぐに降りた。
 約束事(と、人間が勝手に思っているのだが)を破るくらいお腹が空いているのだろう。ぴょんはチクワとロールパンをあげた。が、その日はハムの買い置きがなかった。
 ウインナはあるが生のままというわけにもいかず、さりとて炒めていいのかしら、と迷っているうちに彼女達はいなくなった。

 猫を飼った事のないぴょんなのでヘタな物はあげられない。
 それでも子育てが大変なのは人間も動物も同じだろうと思い、つい食べ物をあげてしまう。

 自己満足なのだが・・・。




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